新潟県糸魚川では、世界中で糸魚川しかない貴重な(地質の宝物)を世界のみなさんに知ってもらおうとユネスコが支援する「世界ジオパーク」の検査を受け、2009年8月に糸魚川ジオパークは「世界ジオパーク」に認定されました。

ちなみに、国内では世界ジオパークに認定されているのは「糸魚川ジオパーク」の他「島原半島」、「洞爺湖有珠山」、「山陰海岸」、「室戸」、「隠岐」、「阿蘇」の計七箇所です。
 
糸魚川ジオパークは24のジオサイトがあり、そのほどんとが、糸魚川・静岡構造線の西側にあります。
「市振」 「マイコミ平」 「姫川渓谷」 「雨飾山」
「親不知」 「橋立金山」 「蓮華」 「焼山」
「青海海岸」 「小滝川ヒスイ峡」 「糸魚川海岸」 「弁天岩」
「青海川ヒスイ峡」 「栂海新道」 「美山公園博物館」 「神道山」
「今井」 「姫川渓谷(大糸線)」 「月不見の池」 「権現岳」
「糸静線と塩の道(北部)」 「糸静線と塩の道(南部)」 「海谷渓谷」 「筒石。浜徳合」
糸魚川ジオパーク案内地図
糸魚川海岸・青海海岸(おうみかいがん)市振海岸(いちぶりかいがん)



糸魚川海岸や青海海岸、市振海岸では、ヒスイをはじめさまざまな石を拾うことができます。その石はどこから来たのでしょう? 山にあったヒスイなどが、川に流されて海に出て、波に乗って海岸に打ち上げられたのです。
長い時間川を流れ、波にもまれたので海岸で見つけられる一般的な石は角が取れ、丸い石が多いのである、それに比べヒスイは固いため、波であらわれても丸くなりにくく、表面がなめらかで比重が重く白っぽいのが特徴である。
糸魚川海岸
海岸ではいろんな石が拾える

親不知(おやしらず)子不知(こしらず)


青梅海岸から西に向かうと、断崖絶壁の海岸線がしばらく続きます。親不知・子不知と呼ばれるこの一帯は、まるで、行く道をふさぐように崖が海岸に突き出しています。北アルプスがそのまま日本海に落ち込む場所であり、雄大な景色が続きます。
この岩石は約1億年前、陸上での火山活動でできたもので、日本列島がまだ大陸にくっついていた時代のものです。
海岸線の現在の国道8号でもカーブが多く、古くから交通の遮断でした。旅人が歩いて通った北陸道は、崖と波打ち際のわずかな間が通り道でしたが、海が静かなときには渚の道でしたが、ひとたび海が荒れ始めると、命がけの走り抜けなければなりませんでした。そのため、崖の切れ込みや自然にできた洞穴に避難しながら行き来をしていました。

平安時代の武将・平頼盛(平清盛の弟)が京から越後に移り、その後を追った妻がここを通った時、連れていた子どもが波にのまれてしまいました。そのとき詠んだ歌「親知らず 子はこの浦の波枕越路の磯の泡と消え行く」が親不知の地名のはじまりと伝わっています。

1882(明治15)年、この断崖にはじめて道路が開通しました。それを祝って「如砥如矢(とのごとく、やのごとく)」の文字が岩肌に刻まれました。平でまっすぐな道を速く通れことが出来る、という当時の人たちの思いがこめられています。

その後昭和41(1966)年に国道8号・天険トンネルが完成し、昭和63(1988)年には北陸自動車道が開通し、北陸道と明治時代に開通した道とともに四世代の道路が通っている場所です。
親不知の断崖
如砥如矢(とのごとく 、やのごとし)
四世代道路
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小滝川ヒスイ峡・青海川ヒスイ峡



小滝川(姫川の支流)と青海川は日本の国内でも数少ないヒスイの産地のひとつです。
ヒスイというと「緑色のきれいな宝石」を思いうかべる人が多いのではないでしょうか。実は、ほとんどのヒスイは白色なのです。その他にも様々な色のヒスイがあります。

小滝川ヒスイ峡、青海ヒスイ峡では5億年前に地下深くでできた「地球の一部」であるヒスイを見ることが出来ます。
(小滝川と青海川は国の天然記念物に指定されているので、石を採ることは法律で禁止されています)
小滝川ヒスイ峡
青海ヒスイ峡

敵に塩を送った道・塩の道



戦国時代の武将・武田信玄が治めていた甲斐や信濃は海がなかったので、塩を作ることが出来ず、越後や駿河から塩を買っていました。
しかし、駿河を治めていた今川と武田は敵対し、駿河からの塩が入ってこなくなり、信濃の人々は塩不足で苦しんでいました。

信玄の宿敵・越後の上杉謙信はこのことを知り、信濃へ塩を送ります。謙信は、「儀」を重んじて、武田の領民の苦しみを見過ごすことができなかったのです。この出来事から「敵に塩を送る」という言葉が生まれたといわれます。このときに塩を送った道が「塩の道」です。
塩の道
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塩の道資料館


海底火山のなごり・弁天岩(べんてんいわ)


能生漁港の西側に、灯台が目印の「弁天岩」があります。海の安全を祈る神様・弁財天がまつられていることから弁天岩と呼ばれています。
弁天岩や対岸の白山神社(尾山)一帯は、約00万年前にフォッサマグナの海底で噴火したものでできています。また、この一帯は、土地が傾きながら隆起(地殻変動などで地面が持ち上がること)したため岩を良く見ると、模様が西に向かって傾いています。

マリンドリーム態生の東側にあるニワトリのような形をした「トットコ岩」も、弁天岩と同じ岩で出来ています。
海沿いを通る国道8号は、日本海夕日ラインと呼ばれています。特に弁天岩からトットコ岩にかけては息をのむほど綺麗な夕日の見所スポットです。
弁天岩
ドットコ岩

走るジオパーク・JR大糸線



JR大糸線は、糸魚川駅と長野県の松本駅を結ぶローカル線です。糸魚川駅から南小谷駅(長野線)まではJR西日本の区間で、ハギ52系と呼ばれる気動車が一両で走ります。電化されていないのでモーターではなく、ディーゼルエンジンで走っています。大糸線は、崩れやすい姫川渓谷の危険な場所を避けるように走っているためトンネルや橋が続きます。1995年の水害では大きな被害を受け、全線が復旧するまで2年以上かかりました。

のんびり走る車窓からは、姫川渓谷のすばらしい景色や地質的なさまざまな姿を見ることが出来、さながら「走るジオパーク」ともいえます。
大糸線は地域の足として、またスピードを求めない観光客の皆さんを乗せて今日もガタコト走っています。
姫川を渡るJR大糸線
雪の雨飾山をっバックに走る

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標高が低くなるほど寒くなる・マイコミ平



糸魚川地域は、石灰岩が多い地帯です。石灰岩は、サンゴ礁や生物の死体が積み重なって出来たものです。酸性の水に溶けやすいことが特徴で、石灰岩が溶けて場所に窪地(ドリーネ)や水の吸い込み口(ポノール)、竪型洞窟ができ、カルスト地形という珍しい地形を作り出します。

黒姫山にある「マイコミ平」にはカルスト地形があります。マイコミ平の特徴は、深い竪型洞窟が多くあることで、深さ513mの日本一の竪型洞窟「白蓮洞」のほか、深い順で4位までの洞窟があります。
その一つの千里洞の底には夏でも雪が残り、底に近づくほど高山植物が多くあらわれ、標高2,500m級の高山植物が見ることができます。マイコミ平の入り口には「浄土門」を呼ばれる場所があります。石灰岩が溶けてU字型になった地形がまるで門のように見える雄大な景色です。
なお、マイコミ平は現在、入山することはできません。
深さ513mの白蓮洞
石炭岩が溶けてU字型の浄土門

小蓮華山(これんげざん)


小蓮華山は、糸魚川市と長野県小谷村の県境にある新潟県で最も高い山です。
この一帯は「日本における近代地理学の父」といわれる東京大学・山崎直方教授によって、氷河地形が日本で最初に確認された場所です。氷河によってできた湿原や池などがあり、高山植物の群生地となっています。

近くの雪倉岳では、江戸時代後期から大正時代にかけて断続的に鉛や銀などの採掘が行われていました。数年前、大正時代の鉱山の様子を撮影して写真が見つかっています。
蓮華の山並み
小蓮華山

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日本百名山のひとつ・雨飾山(あまかざりやま)


雨飾山は、日本百名山のひとつとして有名になりました。登山口には雨飾温泉もあり、人気のある山です。
雨飾山は、約100万年前のマグマが地下で固まった岩石でできています。雨飾山のふもとには「雨飾山麓しろ池の森」があります。白池は塩の道沿いにありました。現在は、駐車場から白池まで散策道が整備されていますが、一部には塩の道が残っています。
むかし塩の道を歩いていたポッカも、白池に映る雨飾山を見ていたかも知れません。
雨飾山と白池
雨飾山

天然の屏風・海谷渓谷(うみたにけいこく)


切り立った絶壁がまるで天然の屏風のようにそびえる海谷渓谷。
海川の清流に沿う渓谷は、約300万年前のフォッサマグナが海だった頃海底火山から流れ出た火山灰や溶岩などでできています。

海谷三峡パークにある展望台からは、高さ約600mの千丈ヶ岳の大岩壁を見ることが出来ます。この岩壁の地層は左に傾いています。これは、火山からの溶岩が流れた跡が残ったものです。また、展望台とほぼ同じ高さの場所に「ぜんまい地蔵」と呼ばれる、お地蔵さんのような形をした岩を見ることが出来ます。
海谷三峡パークから2時間ほど歩くと海谷高地と呼ばれる広い川原に出ます。ここは1597(慶長2)年に起きた地滑りでできた湖が自然に埋めたてられた場所です。
千丈ヶ岳の岩壁
海谷高地の川原
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浜徳合地区・川詰層(かわずめそう)


道路の直ぐ横に「川詰層」と呼ばれる地層があらわれています。この地層のひとつひとつが大地の活動が起こった証拠で、約300万年前にフォッサマグナの海底にたまったものです。そのため、クジラや貝の化石が見つかっています。

思わず記念写真を撮りたくなるほどきれいなシマシマ模様の地層で、見るだけでなく触れることもできます。車に気をつけて是非、見学してみて下さい。
川詰層
しましま模様の地層
急流がつくった絶景・姫川渓谷(ひめかわけいこく)


姫川は、全国で有数の水質の良い河川です。一方、急流河川でもあり、水害も多く発生しています。特に平成7年の水害で、川に沿って通る国道148号やJR大糸線が大きな被害を受けたほか、動植物などの生態系にも大きな影響がでました。
姫川の左岸(西側)にある今井地区には、フォッサマグナが出来始めた頃の海底火山の火山灰からできた岩石(グリーンタフ)の地層があります。この地層は約1700万年前のものと考えられ、糸魚川〜静岡構造線はこの時代以降にできました。
姫川の中流では川の流れが作った谷が深くなり、200〜500mにもなります(姫川渓谷)長野県との県境にある葛葉峠の一帯は、近くの真那坂山から崩れてきたもろい岩石で、それが固い岩石の上に乗る形になっています。
このもろい岩石が何度も崩れ、約500年前と約1000年前には川をせき止め、湖ができたことがあります。
水害の多い姫川
葛葉峠(くずばとうげ)
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糸魚川市 商工観光課
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Fax 025-552-7372
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